シリーズを通しての準主人公で、草薙京の宿敵・ライバル。京とは対照的な青い炎を操る格闘術を用いる。ファンからは親しみをこめて「いおりん」と呼ばれることが多い(余談だが、雑誌『ゲーメスト』では、本来「京サマvsいおりん」のはずだった見出しで「京サマvsおいらん」と誤植されたことがある)。開発者に「非常に人気があるキャラですので、出さないわけには行かないでしょう」と言わしめるほどキャラクター人気が高く、初登場となる『'95』以降のほとんどのシリーズに登場を果たしている。
こかぶ オスト ギュラー バスドラ ツルム 愛秋豊柿 ダービー ニバル ブラジ カシューナ パトロン ミステ シール ロング サーチツナ サイトフエ ステイヤ トップギア オーベ ランチャ ガイア ダンベル プロボ ソフォク パンプス アパッチ フェリ 吉兆 チャーハン ナイトメアー ジンゼナ テーププ うるあわ サロペ タンゴ 風の神 ファレノ イメージ ポンポン キャタピ パッション シスアド チャイム アビレ スキトル チェンバ マントラ ターゲティ 銀色の舟 月のウサギ
赤く染められた頭髪は独特の髪型をしており[1]、丈が膝元まである白のドレスシャツや、両膝の間が赤のベルトでつながれている赤いボンデージパンツなどを身に付けているなど、その出で立ちはバンドマンらしい独特で派手な風采である。上着の背中には八神家の紋章である、白い「月輪の紋」が描かれている(草薙家の紋章「日輪の紋」と対になっている)。
『XII』ではゲーム全体のフルモデルチェンジに伴って衣装の変更がされている。衣装はそれまでほとんど変わったことがなく、『2000』でのマニアックストライカー「アナザー庵」や、『KOF MAXIMUM IMPACT』シリーズでの2Pモデルで別衣装を見せた程度である。とはいえ、『XII』においては、ドレスシャツが無くなってヘソ出しになり、パンツが白色になりチェーンが無くなっているといった程度の小規模な変更に留まっており、『XII』における大きな変更は『XI』における「アッシュ・クリムゾンに能力を奪われる」というストーリー展開を踏まえたキャラクター性能で、必殺技が炎を一切使わずに手で切り裂く技を中心とした構成になっている。
ちなみに「庵」という漢字は人名漢字ではないので、現実では「庵」という名前はつけることができない。
草薙京との関係
草薙京とは宿敵同士だが、家柄やその身に流れる京を殺すことでしか癒されることのないオロチの血以上に「八神庵」一個人として因縁を持つ。だが、神楽ちづるの手引きで必要とあらば手を組むこともある(『'97』三種の神器チーム・『2003』三種の神器チーム・『XI』京&庵チーム)。そんな微妙な関係を続けながらも、その命を執拗に狙い続けている[2]。『'96』以降では、京との対戦前に掛け合いを行うのがほぼ恒例となっており、一部作品には対戦前の掛け合いが無いが、代わりに対京専用の勝利ポーズが用意されているものもある。京は自分が殺すと周りに言っているように、京が他の者に負けることも許せないようである。
人物
彼が公式ストーリーでチームを組むと、大抵の場合(『'96』・『'97』三種の神器チームと『2003』を除く)、エンディングで仲間割れを起こす。特に『'95』でのチームメイトだったビリー・カーンや如月影二には目の仇にされている。なお、『2001』では逆にセスたち3人の方から仲間割れを仕掛けられている[3]。
『'97』の時点でKOFに興味をなくしており[4]、以降の作品では基本的に他の人間から接触を図られて出場ということが多い。『'97』ではちづるによって勝手にシード選手扱いで出場させられた。
『2001』で項目自体が無くなるまで、ほぼ毎年「大切なもの」が変わっていた。『'99』と『2000』では「新しい彼女」が「大切なもの」になっているが、これに関して開発者は「去年(『'99』)と変わってない…?」というコメントをしているため、両作の彼女は同一の人物ではなかったようである[5]。「大切なもの」に挙げられていた物品はかなり高価なものであり、それらをどのように入手したかについても謎である。
京とは違い、高校を卒業しているようである。趣味のバンドではベーシスト(バンド・オブ・ファイターズでもベースを担当)。喫煙習慣があるらしく、小説版の『'96』では煙草を吸っている場面が何度か描かれ、『XI』では後述の墓参りの際に煙草を線香代わりに使っていた。普段はバンド活動をしているか、あてもなく街を彷徨ったりしているが、時には海をまたいで京を追い回したりするなど、詳しい日常生活は謎に包まれている(ほとんどのキャラクターがそうであるが)。家族に両親と妹がおり、共に健在とのことであるが、その詳細は出てきたことはない。キャラクターCDのリーフレットに掲載された開発スタッフのコメントによると、「"全てが謎"であることを彼(庵)の魅力とし、それを守っていきたかったため(過去・秘密・家族などについては)、極力公表しませんでした」としている。
未だに理由は明かされていないが、軍人が「もっとも嫌いな人種」であるという。
『XI』のストーリーで、知人の命日に墓参りに訪れているという意外な一面を覗かせた[6]。
オロチ八傑集であるマチュアとバイスは、最初はゲーニッツから庵の監視を命じられていたものの、人間とオロチの混血である庵に興味を持ち、ゲーニッツを裏切っている。それらの様々な一面から(限定はされるが)、他者を惹き付ける魅力も持っている。なお、庵はマチュアとバイスを「利用できる存在」と見ており、仲間意識は持っていない。「足を引っ張るなら殺す」とも明言している。
闘いにおける八神庵
格闘スタイルは、八神流古武術のほかに「本能」となっている。戦い方は「殴る」「蹴る」だけでなく、指と爪で切り裂くような攻撃も得意とする[7]。凶悪かつ残忍な内容の台詞の数々、相手を大きくなじり罵る台詞が象徴するように極めて暴力的である。勝利時は大きく高笑いしたり、相手に「死ね」と言い放つものがあり、冷酷さを前面に押し出している。なお、その言動からは信じ難いが、嫌いなものは「暴力」となっている(小説版『'97』では、暴力が嫌いな理由として「弱者をいたぶる趣味はない」という趣旨の発言をしている)。
オロチ編終焉後
『'97』でオロチを封印した後、拉致された京を追ってネスツ基地に侵入。『'99』にて最終ボスのクリザリッドを倒した際にある条件を満たしていると、庵と(もしくは京と)闘うことができる。また、庵チーム専用のエンディングでは、結局京と会う事はなく、その後も京の行方を捜し続けることになる[8]。その途中の『2000』でネスツに拉致されそうになったユキを偶然ながら助けている。
『2003』にてオロチを復活させ、主にオロチの力を捧げることを目論んでいる「遙けし彼の地より出ずる者」の一族である無界によってオロチの封印が解かれてしまい、『XI』では同一族の禍忌と紫苑を退けるものの、封印が解かれた影響で暴走してしまい、チームを組んでいた京と真吾を倒してしまう。さらにその場に現れたアッシュ・クリムゾンに不意打ちを受けたうえに、神器の力とオロチの力を奪われてしまう。その後日談でもあるアニメ『The King of Fighters: Another Day』では、アッシュを追い詰めて殺すために、炎を出せないまま闘う彼の姿が見られる(炎無しでもその強さに変わりはないようである)。
660年前の因縁
庵は、草薙流と対をなす八神流古武術(源流は草薙流古武術)の継承者である。草薙が「祓う者」であるのに対し、八神の位置づけは「封ずる者」である。古くは「八尺瓊(やさかに)」という家名で、かつては草薙と八咫と手を取り、オロチを封印した。しかし、その後の千数百年の間に、八尺瓊はオロチの力への憧憬の念を抱くようになる。その結果、八尺瓊はオロチの魂の解放と引き替えにオロチの力を得ようとするという行為に走る。だが、この時に解放されたのはオロチ八傑集の魂のみであった(不測の事態に備えた八咫が、オロチの魂のみを別の場所に移しておいたため)。魂を解放された八傑集の1人が、八尺瓊の妻を拉致してオロチの生贄にし、亡き者にする。そして、オロチの魂を解放した廉で幽閉されている八尺瓊に接近し、八尺瓊の妻は自分の一族の贖罪のために草薙に殺害されたと、草薙と八尺瓊の関係を壊すための嘘の事実を話した。この話に騙された八尺瓊は草薙を憎悪するようになり、オロチの力でもって復讐を行うため、「血の契約」を行う。それにより、八尺瓊はゲーニッツも使う史上最悪の技「八稚女」を完成させる。オロチ一族は八尺瓊に「八稚女」をもって草薙と対決するよう教唆した。
オロチ一族の目的は2つあった。1つは、神器の中でも武に秀で、オロチ復活の邪魔となる草薙の一族を根絶やしにすること、もう1つは両者の争いから戦乱を引き起こし、オロチの封印を守る八咫をおびき寄せることであった。戦乱はしばらく続いたが決着は付かず、その間にオロチ一族と解放された八傑集の魂は何処かに消えた。やがて争いは小康状態に入ったが、この争乱が決定的なものとなって草薙と八尺瓊の関係は断絶し、八尺瓊は「八神」に名を改めた。
『'96』で語られた過去と『'97』で明かされた設定では細かい内容が微妙に違うのだが、「オロチの力に魅入られた八尺瓊が、オロチと血の契約を結んで八稚女を完成させた」という部分は共通している。
八神一族は八尺瓊の力とオロチの血を受け継いでいるため、操る炎の色がオロチ八傑集であるクリスと同じく青紫となっている[9]。その影響で一族は短命であり、庵もまた命を削りながら炎を揮い、八神家の660年の罪を背負い、人とオロチの狭間で苦しんでいる(『'96』・『'97』三種の神器チームのエンディング)。
血の暴走
オロチの封印が緩むと「血の暴走」を起こすことがある(後述)。『'96』のエンディングではそれが起こり、チームを組んでいたマチュアとバイスの体を引き裂いた。また、オロチの封印が緩んでいる時は度々吐血している。2008年に10年ぶりにリメイクされた『'98UM』では、オロチとの戦闘前の掛け合いで暴走しかけるも、我を取り戻すという演出が加えられた。『XI』にて無界がオロチの封印を解いたために、チームストーリーでも吐血したとも取れる描写がある。
ゲーム上の特徴
庵は飛び道具と対空迎撃技を備えており、比較的スタンダードな性能を持つ。下段のしゃがみ弱キックや、キャラクター特有の低いジャンプからの攻撃、めくりを狙える「外式・百合折り」や、『'96』にて追加された相手のガードを崩す「屑風」など、ガードを崩す手段が豊富で、これらを決めてから「百弐拾七式・葵花」や「禁千弐百拾一式・八稚女」につなげる連続技を決めていくことができれば強さを発揮する。相手を転ばせ、起き上がりからの択一攻撃で強引に押し切って倒すこともできる。反面、通常技の癖が強く、全体的に技後の隙が大きいものが多いため、出しどころを誤るとすぐに崩される危うさを持っているが、その攻撃能力の高さから、シリーズ全般を通して「強いキャラクター」として評価されている。また、キャラクター人気の高さから、意図的に性能を高くしている節もある。
初登場となる『'95』では、低いジャンプからの攻撃や連続技の破壊力の高さが驚異的であり、「葵花」を使った強力な空中連続技が可能であり、相手に精神的な重圧を掛けていくことも容易であった。「八稚女」も強攻撃やカウンター攻撃から連続でつながり、突進スピードが早いために見切られにくく、ガードされても反撃を受けにくいものであった。「百式・鬼焼き」は京のものとは性能が微妙に異なり、強は密着状態で当てれば3ヒットする。ただし、ヒット効果は3段目以外はのけぞりであるため、使う間合いを誤ると大きな隙を晒すことになる。また、シリーズが進むにしたがって、無敵時間も威力も少しずつ減らされている。
次作となる『'96』では、新たに追加された「屑風」が近距離での強パンチからキャンセルでつながり、さらにそこからダッシュして強パンチを当てて再び「屑風」につなげるのを繰り返すことができた。「弐百拾弐式・琴月 陰」はガードされても間合いが離れるために反撃を受けづらい(反撃を受けにくい性能なのは『'96』ぐらいである)。本作では「八稚女」は連続技に組み込むことができず、(『'96』以降は)ガードされると大きな隙が生じるようになった。
『'97』では、飛び道具の「百八式・闇払い」が炎を飛ばすまでが速くなっているほか、新たに追加された超必殺技「裏百八式・八酒杯」は、パワーMAX版を使うことで真価を発揮する。有効間合いは狭くなったが、相手のガードを崩す手段としては相変わらず有効な「屑風」と、長い無敵時間の追加と連続技に再び組み込むことができるようになった「八稚女」の使い方が重要となる。オロチの血が暴走したことで自我を失ったもう1人の庵・隠れキャラクターとして登場している「ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ」は、攻撃力の上昇に加えて、通常の庵に比べて移動スピードが格段に増しており、相手に絶大な重圧をかけることが可能。『CAPCOM VS SNK』では、一定の条件を満たすことで操作可能な隠しキャラクターとして登場を果たしており、新しい技も追加されている。
「屑風」は、『'98』以降は性能が低下したために使用頻度は低くなった。
隠しキャラクターとして登場している『'99』では、しゃがみ弱パンチと遠距離立ち強パンチが必殺技キャンセル不可能となった分、連続技が少なくなった。新超必殺技もそれを補うまでには至らず、弱体化が目立つ。ストライカー動作で出す飛び道具は食らった相手の動きを封じるものである。波動の攻撃判定が長く残り、性能は高い。
『2000』での庵は『'99』と基本的には変わらないが、ストライカーが技の動作中でも出すことができるようになったことによる恩恵を受けている。ダウン回避ができない「葵花」の3段目を決めた直後にラモンや社のような連続攻撃を決めるストライカーとを組み合わせることで大ダメージを与えることができる。
『2001』では、「闇払い」の隙が増大した(弱の隙の大きさは顕著)。一方で、「外式・豪斧 陰 “死神”」が強パンチからつながるようになり、「葵花」から「琴月」につなげることができるようになり、「葵花」からスーパーキャンセルで「八稚女」につなげることも可能となっており、連続技が大きく強化された。また、レバーニュートラル状態の顔付きや、しゃがんだ状態での顔付き、構えが変更されている。また、「八稚女」の追い討ち専用の超必殺技として「裏参百壱拾六式・豺華」が加わった。
以降、『2002』『2003』『XI』とシリーズが続いていくが、基本的な性能は前述の通りの『比較的スタンダードな性能』である。 しかし、『XII』ではストーリー上『XI』でアッシュ・クリムゾンに八尺瓊の力を奪われてしまったため、炎を使った攻撃手段が無くなっている。
技の解説
「血の暴走」を除き、詳細は八神流古武術参照されたし。
必殺技
百式・鬼焼き
百八式・闇払い
百九式・黄泉払い
百弐拾七式・葵花
屑風
弐百拾弐式・琴月 陰
参百拾壱式・爪櫛
超必殺技
禁千弐百拾壱式・八稚女
裏百八式・八酒杯
裏参百拾壱式・折爪櫛
裏千弐百七式・闇削ぎ
裏百式・鬼焔
裏千弐拾九式・焔甌
禁七拾七式・禍風
裏参百壱拾六式・豺華
三神技之弐
血の暴走
『SVC CHAOS』でEXCEEDとして追加。その場で苦しみだし、攻撃を受けると「豺華」の引き裂く動作で反撃をする当て身打ち技となっている。
『NBC』では高い軌道で飛び込み相手を捕まえてから、『'96』のエンディングで起こした様を再現するが、こちらは『SVC CHAOS』のEXCEEDと違い、ゲージ消費が少ないせいかかダメージはそれほど高くはない。
キャラクターのバリエーション
ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ
オロチ編(『'95』?『'97』)では、オロチの復活が近付いた結果「血の暴走」と呼ばれる現象を引き起こしていた。「血の暴走」が起きると理性を無くし、本能[10]のまま目に付いた者に襲い掛かるようになってしまう。ネスツ編以降(『'99』?)は収まったものと思われるが、オロチの封印が解けた後の『XI』のエンディングで再び暴走を起こしている。
一部の作品では隠し要素として、この「血の暴走」を起こした状態の庵を「ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ」という個別のキャラクター(暴走庵とも称する)として使用できる。技の仕様が変わるようなことは無いが、ジャンプやダッシュなどの動作スピードが異常に速くなる。また、『CAPCOM VS. SNK』や『SVC CHAOS』では通常の庵にない技が追加されたり、引き換えに一部の通常の庵にもある技が削除されたりなどの差別化がなされるようになった。なお、『熱闘!KOF96』でのみ他作品と異なり、動作速度はあまり変わらないが技の仕様が異なる。
ミスX
『SNK GAL'S FIGHTERS』では「クィーン・オブ・ファイターズ」を開催したボスキャラ「ミスX」が登場する。サングラスにマスク(如月影二が付けているのと同じもの)で顔を隠し、ロングスカートのセーラー服というスケバン風の衣装であるが、前に伸びた赤い髪のせいで庵の変装した姿であるのは一目瞭然である。本人もこれには納得しているわけではないらしく、正体がバレそうになると慌てて誤魔化す。また、ナコルルの持つ刃物(宝刀チチウシ)を見て反則だとツッコミを入れるなど、『KOF』本編の庵と比較してコミカルな印象が強い。
取り巻きとしてビリー・カーンと如月影二、マチュアとバイスがいるが、ビリーと影二がほぼ庵と同じ姿であるのに対し、マチュアとバイスはサングラスをかけているだけである。ソウマトウフラッシュには彼ら以外に草薙京とのツーショットもあり、エンディングでも声をかけてくることから、京もこの奇行には気付いているようである。
ちなみに、『SVC CHAOS』で暴走庵がデミトリの「ミッドナイトブリス」を受けるとこの姿に変化する。
ミスXの技
ここではミスX独自のもののみを記述する。
参百拾壱点伍式・鉤爪櫛
必殺技。通常の八神庵の「参百拾壱式・爪櫛」とほぼ同じ技。
裏参百拾壱点伍式・折曲爪櫛
超必殺技。こちらも通常の八神庵の「裏参百拾壱式・析爪櫛」とほぼ同じ技である。
裏九拾壱式・八束脛
超必殺技。画面外に消えた後、スクーターに乗って相手に突撃する。